1. 新函館北斗駅 新幹線の終着駅を徹底ガイド

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

新函館北斗駅 新幹線の終着駅を徹底ガイド

  新函館北斗駅は、北海道新幹線開業とともに開業する新駅であると同時に、道南と道央地方を結ぶ役割をもった新しいキーステーションだ。駅舎内の楽しみ方やグルメのおすすめ、周辺のイチオシ観光スポットまでを紹介。これから成長していく北斗市の新観光スポットから目が離せない!

駅舎内に観光スポットが多々入る「新函館北斗駅」

  北海道新幹線開業とともに2016年3月にオープンした「新函館北斗駅」。この駅は1902年から本郷駅として、また1942年からは渡島大野駅として古くから利用されており、北斗市の大野地区を代表する駅として機能していた。

現時点で、新函館北斗駅は北海道新幹線の終着駅。すべての新幹線が、また札幌〜函館間を結ぶすべての特急「北斗」「スーパー北斗」が停車する。しかし、この駅は都市部へのハブステーションという役割に留まらない。周辺には「きじひき高原」「大沼公園」といった自然観光スポットが多々あるほか、グルメや函館山の眺望スポットなど、駅そのものに楽しみがぎゅっと詰まっているのだ。函館観光の前に、まずはこの駅を楽しまないのは損というもの。そんな、新函館北斗駅の魅力を徹底解剖!

文・構成/たびらい編集部 投稿/2016年 3月

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新函館北斗駅の達人
(らみれず まい)
ラミレズ 麻衣さん

新函館北斗駅観光の達人
  北斗市観光協会スタッフ。大学卒業後、青年海外協力隊の業務で観光業にも携わり、三年前に道南へと移住。札幌生まれ・札幌育ちながら、北斗市を含む道南地方の観光情報をものすごい勢いで吸収中! 「日々、旅行者さんからの問い合わせに対応しながら、勉強している感覚です」と語る。趣味は、観光PRの出張で向かう東日本各地の“ご当地クリアファイル”集め。

駅の概要とアクセス列車「はこだてライナー」

「はこだてライナー」は新函館北斗~函館間を最速15分で結ぶ

  2016年3月に北海道新幹線開業。新たな玄関口となった「新函館北斗駅」と「木古内駅」(きこないえき)は、今年度の道南観光の新しいキースポットだ。さて、新函館北斗駅には東京・仙台・盛岡・新青森を発つすべての新幹線が停車する(13往復/26本)。木古内駅は8往復(16本)だ。

新函館北斗駅では、新幹線アクセス列車である「はこだてライナー」が北海道新幹線開業と同時に運行を開始。はこだてライナーはすべての新幹線と接続しており、新函館北斗〜函館間を最速15分で結んでいる。車両のデザインにも注目だ。エクステリアは北海道新幹線車両(H5系)と同様のパープルをメインカラーに、北海道の新緑をイメージさせるライトグリーンの帯を採用。また、函館の赤レンガ倉庫を想起させる乗降ドアや、木目調のパーティションを取り入れたインテリアも魅力的だ。北海道の自然と、江戸時代から開かれた港街である函館の異国情緒をイメージしたデザインとなっている。

はこだてライナーは、快速だけでなく普通列車も運行する。快速は函館へ到着する前に五稜郭駅に停車。普通列車は五稜郭・桔梗(ききょう)・大中山・七飯(ななえ)に停車するので、時間に余裕があるならばぜひ途中下車の旅も楽しんでみてほしい。新幹線接続のない時間帯の運転もあり、新函館北斗駅と含めた観光利用が可能だ。

■ はこだてライナーの停車駅と所要時分
【快速】
・停車駅:五稜郭
・ 所要時分(最速):下り19分、上り15分
【普通】
・停車駅:五稜郭、桔梗、大中山、七飯
・所要時分(最速):下り22分、上り19分

※JR五稜郭駅~五稜郭公園までは徒歩30分ほどかかる。五稜郭公園へのアクセスはJR函館駅にて下車後、函館市電を利用するのがおすすめ。

駅舎内でショッピング&“駅弁”カフェを満喫

「41°ガーデン」では道南の新鮮食材を堪能できる

  新函館北斗駅は木古内駅より函館市街に近く、快速列車も運行するため“鈍行”の「道南いさりび鉄道」を利用するより、早くに函館市街地へとアクセスできる。また、「北斗」「スーパー北斗」などすべての特急列車が停車するこの駅は、札幌へのアクセスも優れた、いわば都市部へのハブステーション。でも、魅力は早さや便利さだけではない。

「駅舎は箱形なので、全部が“駅”と思う人がほとんどのはず。でも、実は駅舎の半分は観光施設なんですよ」とラミレズさん。新函館北斗駅は北斗市観光交流センターとしての機能も兼ねており、駅舎の1階には市民ギャラリーとアンテナショップ「ほっとマルシェおがーる」が入る。ここでは、特産のホッキ貝やカキを使った「新函館北斗駅弁」や、“キモカワ”のゆるキャラとして人気の「ずーしーほっきー」関連商品が販売されている。達人・ラミレズさんのおすすめは、お湯を入れると乾燥昆布がずーしーほっきーの形に戻っていく「ずーしーde昆布」で、このアンテナショップでしか買えないアイテム。

また、駅舎の2階に展開する観光案内所と飲食スペースにも注目! グルメスポットとして、道南の新鮮食材を使った多様な駅弁を扱う「BENTO CAFE 41°GARDEN」がオープンした。こちらは、青森県・八戸市の老舗弁当メーカーである吉田屋がプロデュース。「この『BENTO CAFE』では通常の駅弁を購入して食べられるほか、複数の駅弁の中身を組み合わせて楽しむ“駅弁ミックス”メニューも販売しています。私のイチオシ弁当は『大玉ホタテと大漁ウニ弁当』。ぜひ味わってください!」

新函館北斗駅に施された、こだわりポイントを発見!

「赤とんぼ」をモチーフにしたシールと、こだわりの駅舎内装

  駅舎のインテリアデザインにも特徴が。細部に北斗市の名物や、まちが輩出してきた著名人へのオマージュを盛り込んだところも面白い。ぜひ、子どもに楽しんでほしいのが「ずーしーほっきー」探し。駅構内のガラスには「赤とんぼ」マークの衝突防止用シールが多数貼られているのだが、その中に北斗のゆるキャラ「ずーしーほっきー」が7枚だけ紛れ込んでいるのだ。

「私はまだ3枚しか見つけられていないんですが(笑)、このずーしーほっきー探しは燃えるはずですよ。そして、『赤とんぼ』は北斗生まれの作詞家・三木露風氏にちなんだマークです」

また、トラピスト修道院のポプラ並木をイメージした巨大な白い支柱や、北海道産のレンガ、道南産の杉材などをふんだんに用いた内装も要チェック。子どもの探究心をくすぐる仕掛けだけでなく、大人も納得のこだわりが随所に施されている。

到着後すぐに楽しめる!きじひき高原から見える雲海は要チェック

「きじひき高原」には雲海が発生する。写真は秀峰・駒ヶ岳と雲海

  新函館北斗駅が建つ大野地区は、北斗市の中でも山手にあり、函館を一望できる展望スポットや桜の名所が駅から近い距離にある。ラミレズさんがイチオシするのが「きじひき高原」だ。ここは2015年4月にパノラマ展望台がオープンし、風や気温を問わず眺望を楽しめるようになった。

実は、きじひき高原の展望台からは雲海を望め、発生する時間帯もポイント。たとえば、占冠村(しむかっぷむら)のトマムで見られる雲海は主に早朝に発生するのだが、ここは10時〜正午頃と遅めなので、新幹線で駅に到着した後すぐに楽しめる。「駅には、きじひき高原の映像をリアルタイムで放映する大型ビジョンが設置されます。まずは、新幹線を降りて“雲海”をチェック。きじひき高原は車で約15分と近いので、レンタカーを借りてすぐに向かえますよ」と達人。

現在、新函館北斗駅には複数社のレンタカーが出店している。函館・道南旅行を楽しむ際に、駅から列車とレンタカー、いずれかの移動手段を選択できるのは、旅行者にとってはうれしい。車でアクセス楽々の駅近スポットはほかにも。

「法亀寺のしだれ桜」は推定樹齢300年といわれる巨大な桜で、5月に開催される「北斗桜回廊」の舞台だ。また、「きじひき高原」の下にある「匠の森公園」では、群生するカタクリが4月頃に花を咲かせる。花ファンにはたまらないこれらのスポットは、どちらも駅から車でおよそ10分ほどの位置にある。カタクリが咲く「匠の森公園」については、本州から問い合わせがあるほどの人気スポットだ。

新函館北斗駅のこれから。発展する駅周辺を楽しもう

新駅からは函館山の眺望も!(画像はイメージ/きじひき高原)

  新函館北斗駅とその周辺は、新幹線の開業に合わせて動き始めたばかり。来年(2017)には、駅前に新しいホテルが建てられ、地域物産施設も中に入る予定だが、まだ新駅の周辺には観光施設は少ないのが現状だ。また、北斗市には観光ホテルの数もまだ少ないため、現時点で道南のおすすめ宿泊地は大沼公園・函館市街地・湯の川温泉など、既存の有名観光地が中心となる。

ただ、“今の北斗の風景”と育っていく街並み自体を楽しんで、とラミレズさん。「高層建築物がまだないので、夜は駅2階の飲食スペースから函館山がきれいに見えます。これは、今だからこそ見られる函館の裏夜景」と最後に教えてくれた。

本州と北海道を、道南と道央をつなぐキーステーションとなる新函館北斗駅。でも、通過点としてこの駅を捉えてほしくはない。これから、ますます発展していく北斗市の新しい観光スポットを、楽しみながら見続けていこう。


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新函館北斗駅周辺の観光を楽しもう!おすすめ情報

車で楽々アクセス! 北斗桜回廊の見どころ3選

  道南でも有数の桜の見所・北斗市の花見スポットを紹介。

  • 法亀寺
  • 松前藩戸切地(へきりち)陣屋跡
  • 大野川沿いの桜並木
おすすめポイント
  北斗市の桜の見頃は例年5月。道内最大級のシダレ桜がある「法亀寺(ほうきじ)」、800メートルの桜のトンネルがある「松前藩戸切地(へきりち)陣屋跡」、橋の上から桜を眺めることができる「大野川沿いの桜並木」など、北斗桜回廊と呼ばれる桜の名所が市内各所にあり、見所が多彩なのが北斗の桜の魅力だ。また各所へのアクセスも中心部なら車で10分ほどの距離を移動していけるので、桜めぐりもしやすい。またライトアップされた夜桜は必見。陽光に輝く桜とはまた違った、美しく幻想的な夜桜もぜひ鑑賞してほしい。夜桜越しに函館市街の夜景を望む景色は、北斗市ならではの絶景だ。

北斗で食べたい、海の幸・大地の恵み

  ホッキ貝に夏野菜、人気のラーメン店まで北斗市のグルメを紹介!ぜひ、立ち寄ってみて。

  • 北斗フィッシャリー
  • 櫓屋(やぐらや)
  • 谷観光農場
おすすめポイント
  海の幸と山の幸に恵まれているのが北斗市の魅力だ。名産のホッキ貝を味わうなら、平成27年(2015)の12月にオープンしたばかりの「貝鮮焼 北斗フィッシャリー」がイチオシ。漁協直営なので、新鮮な貝類を豪快に蒸し焼きで味わえると評判になっている。新名物の峩朗(がろう)カキもぜひ食べてみてほしい。そして地元で人気のラーメン店といえば「中華そば 櫓屋(やぐらや)」。スープは和風豚骨味で、炙り焼き豚と炙りメンマがとても美味しいので要チェックだ。夏なら「谷観光農場」の夏野菜カレーがおすすめ。観光農園で果物狩りなどを楽しんだあとに、採れたての夏野菜がゴロゴロと入ったカレーを味わってみてほしい。

函館・道南エリアのおすすめホテルを厳選!

  • ホテル・ラ・ジェント・プラザ函館北斗
  • 天然温泉ホテルパコ函館別亭
  • ホテルショコラ函館
おすすめポイント
  道南エリアのおすすめ宿をピックアップ。温泉露天風呂でのんびりするも良し、我が家のようにホッとできる施設でくつろぐのもおすすめです。新幹線「新函館北斗」駅が目の前の便利なホテルもありますよ。

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新函館北斗駅への交通アクセス

  本州を発地とする北海道新幹線のすべて、26本(13往復)が停車する。平成28年(2016)3月時点で、新函館北斗駅は北海道内での新幹線終着駅。函館市街地からは車で約30分。はこだてライナーは函館〜新函館北斗駅間を最速15分で行き来する。

北斗市観光交流センターの施設情報

  【住所】北海道北斗市市渡1丁目1-1
【営業時間】9時~19時
【定休日】年中無休
【駐車場】584台の駐車が可能、利用は当面の間無料

車(レンタカー)で

  JR函館駅から約30分
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電車で

  JR函館駅から「はこだてライナー」を利用し、最速15分
木古内駅から新幹線で約13分

達人が答える新函館北斗駅のQ&A

Q 車いす利用者でも、駅舎は楽しめますか?
A 新函館北斗駅はエスカレーターがあるほか、エレベーターも充実しています。車椅子の方でも、ゆっくりと見ていただけますよ。
Q 駐車場はありますか?
A 駅の南側に3階建ての立体駐車場があり、584台の駐車が可能です。現時点(2016.3月時点)では無料で利用することができます。
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